一番の注目は名古屋!?リニア開業が不動産投資にもたらす効果とは

一番の注目は名古屋!?リニア開業が不動産投資にもたらす効果とは

2020年の東京オリンピック・パラリンピック後の日本経済を危惧する向きもありますが、オリンピック・パラリンピック後の経済の牽引役として期待されているのは、2027年に品川駅-名古屋駅間の開業が予定されているリニア中央新幹線です。日本の景気に大きく貢献するだけではなく、不動産投資という面からも注目を集めています。リニア中央新幹線の開業によって、停車駅の周辺エリアは新たな不動産投資のターゲットとして考えられるのです。そこで、リニア開業による経済効果や、リニア関連で注目するべきエリアについて解説していきます。

目次

リニア開業による経済効果とは

リニア中央新幹線の開業は、日本経済に大きな経済効果をもたらすといわれています。また、大都市圏をこれまでよりも短時間で結ぶことで、都市構造を変えるインパクトを秘めているとさえいわれているのです。

2027年リニア中央新幹線開通予定

リニア中央新幹線は、2027年に品川-名古屋間約285.6kmの区間の開業を目指して工事が進められています。2016年1月には品川駅の駅舎整備の起工式が行われ、着工しました。
リニア中央新幹線は品川駅-名古屋駅間を約40分、2037年に開業が予定されている品川駅-大阪駅間を約67分で結ぶ予定です。現在は東京圏から名古屋までは約110分、大阪までは150分ですので、大幅に所要時間が短縮されることになります。
リニア中央新幹線は、東京と名古屋、大阪の三大都市圏をつなぐルートを二元化することが目的です。東海道新幹線の走るルートは、東海地震で予想されている被災地と重なるため、地震などの災害が起きたときに備えて、大都市圏をつなぐ手段をもう1ルート確保することが必要とされました。また、東京と名古屋、大阪を短時間でつなぐことで経済の活性化も図れます。さらに、リニア中央新幹線の開業によって、東海道新幹線の輸送力に余裕ができることで、「ひかり」や「こだま」の運転本数を増やすことが可能になります。

リニア開業は東京オリンピック・パラリンピック後の経済を牽引

東京オリンピック・パラリンピック開催決定以降、東京の不動産市場は活況をみせています。東京オリンピック・パラリンピックによる経済効果は3兆円規模といわれていますが、オリンピック・パラリンピック後の経済が順調だった国は少なく、オリンピック・パラリンピック後の景気の落ち込みを危ぶむ声が上がっています。
しかし、ロンドンは2012年のロンドンオリンピック・パラリンピック終了後に、経済は上昇していたため、成熟した国家であれば、オリンピック・パラリンピック後の景気も大丈夫なのではないかという意見も少なくありません。そんな中、オリンピック・パラリンピック後の日本経済の牽引役といわれているのが、2027年に開業が予定されているリニア中央新幹線です。リニア開業による経済効果は10兆円以上の規模といわれています。
リニア中央新幹線開業による発展が見込まれるエリアは、東京オリンピック・パラリンピック後の日本で不動産投資先として有望です。不動産投資は投資先とタイミングが肝ですので、まだ開業まで時間のあるこの時期に、リニア関連の不動産投資を始めておくことも選択肢になります。 リニア開業は東京オリンピック・パラリンピック後の経済を牽引

リニアで変わる都市構造とは

リニア中央新幹線の開業は、日本のこれまでの都市構造に変化を及ぼすと考えられています。
1964年に東海道新幹線が開業して、東京駅-新大阪駅が約3時間10分で結ばれるようになると、東京から大阪への日帰り出張も可能になりました。大阪に支店を設ける必要性が薄れたことで、東京への一極集中が進んだ要因のひとつとなっています。リニア中央新幹線の開業による品川駅-名古屋駅間の所要時間約40分という数字は、東京駅-千葉駅間や東京駅-立川駅間、東京駅-戸塚駅間といった郊外からの通勤時間とほぼ同じです。
東京へのさらなる一極集中によるストロー現象が懸念される一方で、東京から名古屋まで、広域の大都市圏が形成されるという見方もされています。働き方の多様化によって、自宅やサテライトオフィスでテレワークをするという働き方も浸透しつつあります。仕事のある大都市圏に居住するのではなく、リニアによって利便性の高まった地方都市に在住し、月に何度か東京や名古屋のオフィスに出社するという形態も考えられるのです。
リニア中央新幹線の開業によって、新たなベッドタウンの誕生や商業圏の変化が起こると、不動産市場にも影響が起きることが予見されます。

リニア中央新幹線開業で不動産投資が注目される街は?

リニア中央新幹線の開業では品川駅と名古屋駅間に、4つの中間駅が誕生します。リニア中央新幹線は最短ルートとして、山間部を中心に通るため、中間駅には大都市がないのが特徴です。不動産投資で注目されるのは、どの駅の周辺エリアでしょうか。

リニア新幹線の新駅予定地

リニア中央新幹線は、品川駅地下に設けられる「東京都ターミナル駅」から名古屋駅地下の「名古屋市ターミナル駅」まで、沿線となる4県にそれぞれひとつずつ中間駅がつくられます。静岡県も静岡市葵区を通過しますが、大井川源流部のみのため、中間駅の設置対象から除かれています。
中間駅として設置されるのは、「(仮称)神奈川県駅」は神奈川県相模原市の橋本駅付近、「(仮称)山梨県駅」は甲府市大津町付近、「(仮称)長野県駅」は飯田市上郷飯沼付近、「(仮称)岐阜駅」は中津川市千旦林付近です。
リニア中央新幹線の開業によって、住宅需要が増大すれば、地価が上昇することが考えられます。また、賃貸需要が高まれば、賃料収入によるインカムゲインを狙った不動産投資に向いたエリアとなることが想定されます。

不動産投資は既存駅との接続がある駅に注目

リニア中央新幹線の開業を不動産投資の視点からみていくと、注目すべきは既存駅との接続がある駅です。リニア中央新幹線の新駅が設置されても、既存の市街地から大きく離れたエリアは急激な発展を遂げることは考えにくいです。
既存の駅に接続されるのは、「東京都ターミナル駅」に位置づけられている品川駅と、「名古屋市ターミナル駅」となる名古屋駅です。既に発展している街ではありますが、リニア開業によるさらなる発展が期待されています。
また、「(仮称)神奈川県駅」は橋本駅付近に設置されるため、橋本駅に乗り入れるJR線横浜線や相模線、京王電鉄相模原線への乗り換えが可能です。2027年に向けて再開発計画が進められています。
「(仮称)岐阜駅」はJR中央線の美乃坂本駅付近に設置され、中央自動車道の中津川ICからもアクセスしやすい場所に位置しています。岐阜県は「(仮称)岐阜駅」を岐阜県の東の玄関口として、観光振興につなげていきたい考えです。下呂や飛騨高山、長野県の妻籠宿など50km圏内の観光地とつなぐことで観光客を呼び込むことや、併設される車両基地そのものを観光資源とすることが検討されています。また、リニア中央新幹線の開業によって、岐阜県に住んでテレワークで働き、週に何回か東京に通勤するスタイルなど、岐阜県へ定住する動きも促進したいとしています。

甲府や飯田は未知数

一方、リニア開業による発展が未知数といわれているのが、既存駅からも市街地からも離れている、甲府市の「(仮称)山梨県駅」と飯田市の「(仮称)長野県駅」です。「(仮称)山梨県駅」の周囲は農地や工業団地に囲まれたエリアで、中央自動車道の甲府南ICに近い場所です。鉄道との接続は計画されておらず、車での移動による利用が前提になっています。
「(仮称)長野県駅」もJR飯田線が近くを通っているものの、接続の予定はありません。交通広場やパーク&ライド駐車場、駅利用者利便施設が整備される予定です。また、周辺エリアの観光地からの送迎バスや高速バスが発着することを想定しています。
名古屋駅と品川駅が40分で結ばれることから、甲府や飯田は東京や名古屋の通勤圏になることも考えられます。とはいえ、現時点では、マンション需要よりも、一戸建ての重要が高いエリアです。マンション投資が成り立つとは言い難いものがあります。住宅開発が行われるとしても、投資目的よりも実需を狙った一戸建ての建て売りなどの建設が考えられるでしょう。

リニア関連の不動産投資で注目の街①:品川

品川駅周辺はリニア関連で注目される街の筆頭格ともいます。品川駅はリニア開業によってどのような変貌を遂げるのでしょうか。

リニア関連の不動産投資で注目の街①:品川

品川駅はリニアの駅が既に着工

2027の開業を目指して、リニア中央新幹線品川駅の工事が既に着手されています。リニア中央新幹線品川駅が設けられるのは、現在の品川駅港南口の真下に当たる場所で、地下40mもの深さの場所です。長さ1㎞、横幅60mもの巨大な地下空間が設けられ、リニア中央新幹線のホームが2つつくられます。
品川駅はリニア中央新幹線の整備の中で、南アルプストンネルと名古屋駅と並ぶ、三大難所といわれ、難工事になることが予想されています。品川駅は、既存の新幹線ホームの下につくられることから、新幹線の営業に支障が出ないように進められるため、難所のひとつと位置づけられているのです。

品川は国際都市東京の玄関口に

品川は国際都市東京の玄関口として、「品川駅・田町駅周辺 まちづくりガイドライン2014」に基づいて整備が進められていきます。リニア中央新幹線の品川駅の開発では、品川駅自体も大改造が行われ、利用客の利便性の向上が図られます。リニア中央新幹線の開業に伴い、山手線と京浜東北線を移設し、空いたスペースに京急品川駅を移して地上化し、東西自由通路を高輪口側まで延伸する計画です。国際化が本格化する羽田空港へアクセスする京急線と、リニア中央新幹線、東海道新幹線への乗り換えをスムーズにする狙いがあります。
品川駅の西口広場は、品川駅の玄関口として再整備が行われ、国道15線の拡張工事も合わせて実施されます。また、品川駅と品川新駅とは一体的な開発が行われ、田町駅や泉岳寺駅とともに、品川駅の2階は歩行者専用デッキで結ばれる計画です。
品川駅・田町駅周辺は、アジアヘッドクォーター特区として、企業に対する優遇税制や規制緩和によって、外国企業を誘致し、アジアの業務拠点としての機能を持つことが掲げられています。国際化に向けて、インターナショナルスクールや医療機関といった施設の誘致も目指しています。

品川は既に発展を遂げたとの見方も

今後、さらなる発展が見込める品川ですが、リニア中央新幹線の開業以外にも、品川駅と田町駅の間に、(仮称)品川新駅が開業することでも話題となっています。(仮称)品川新駅は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に暫定開業し、2024年に商業施設もオープンする予定です。リニア中央新幹線の開業によって、さらに品川駅の商業施設が増加し、利便性が高まることが期待されています。
品川駅周辺の不動産は、今後も高いニーズがあり、不動産価格が高騰していくことが想定されます。しかし、既に品川は成熟した街であるため、リニア中央新幹線の開業前の先行投資という意味での投資はしにくいといるでしょう。

リニア関連の不動産投資で注目の街②:名古屋

「リニア開業に向けて最も盛り上がっているのは名古屋」といっても過言ではないほど、名古屋は2027年のリニア中央新幹線の開業に向けて、大規模な再開発が進行しています。リニア開業は、経済が好調な名古屋にさらなる発展を呼び込む起爆剤となりそうです。

リニア関連の不動産投資で注目の街②:名古屋

リニア開業で見込まれる名古屋への経済効果

リニア中央新幹線の開業によって、名古屋のオフィスの需要が高まるとみられています。東京から名古屋まで約110分であった所要時間が約40分に短縮されることは、交通費を度外視すれば、名古屋は東京から通勤圏になることを表しています。東京よりもコストの安い名古屋にオフィスを構えて、必要に応じて東京に足を運ぶことを選択するケースが増えることも想定されるのです。また、東日本大震災以降、複数の拠点を持つことが、企業の危機管理のうえで重視されてきました。東京のバックアップオフィスとしても、名古屋に拠点を持つ企業が増えていくことが考えられます。中部国際空港が県内に立地するインフラを活かして、世界から名古屋へ来る外国人が増加することもあり得るのではないでしょうか。
名古屋はもともと、ものづくりの街として栄え、大手企業の工場も立地し、周辺の豊田市とともに製造業の中心となっています。ものづくりの拠点として、サービス業が強い東京との結びつきが強化されることで、さらなる発展を遂げる可能性を秘めているのです。

名古屋駅周辺の再開発計画とは

名古屋駅周辺は今、再開発が進んでいます。1964年に東海道新幹線が開業した頃に建てられたビルが多く、老朽化が進んでいることに加えて、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催と2027年のリニア開業が追い風となったことによる動きです。
2015年には、建て替えが行われていた34階建ての「大名古屋ビルヂング」や、日本郵政などによる40階建ての「JPタワー名古屋」が相次いで完成し、バスターミナルも設けられました。2016年には、「新・第二豊田ビル」や「代々木ゼミナール名古屋」などが竣工を迎えています。2017年4月には46階建ての「JRゲートタワー」が開業しました。隣接するJRセントラルタワーズと接続し、約3万2000㎡の「タカシマヤ ゲートタワーモール」のほか、ホテルやオフィスが入居しています。
名古屋駅から南に1kmの場所に位置する「ささしまライブ24」地区では、10月にランドマークとなる地上36階の複合施設「グローバルゲート」が本格開業し、高層階には「名古屋プリンスホテル スカイタワー」が入居予定です。「ささしまライブ24」地区は都市再生特別地区に指定され、貨物駅として利用されていた笹島駅跡地約12万4,000㎡が開発されたエリアです。2015年3月に完成した「ロイヤルパークスERささしま」は有料老人ホームやシェアハウスを併設した賃貸住宅です。
さらに、2022年には名鉄名古屋駅が着工し、リニア開業を迎える2027年に完成予定ですが、驚くべきはその横幅です。6つビルを取り壊した一体的な開発で、太閤通という道路をまたいで、全長400mにも及ぶ30階建てのビルとして生まれ変わります。白い巨大な壁ができるとして話題になりました。
名古屋市では、「世界に冠たるスーパーターミナル・ナゴヤ」の実現を目標とし、国際的な圏域の拠点を目指し、名古屋駅を国際レベルのターミナル駅とする構想を掲げています。リニア中央新幹線のターミナル駅は西口に設けられる予定です。

リニアで名古屋が第二の経済圏になる?

名古屋の地価は東京と同様に上昇傾向にあるのに対して、大阪の地価はリーマンショック以降の価格下落から、横ばいが続いています。
リニア中央新幹線が大阪まで開業するのは、当初の2045年から2037年に前倒しが予定されていますが、それでも品川-名古屋間の開業から10年あります。その間に景気が上向きの名古屋が大きく発展し、大阪を凌駕する存在となり、第二の経済圏になる可能性を秘めているのです。

リニア関連の不動産投資で注目の街③:橋本

リニア中央新幹線の中間駅の中でも首都圏にあり、既に街が形成されている橋本駅周辺は、再開発によって、大きな発展が期待されているエリアです。東京都西部で地価が比較的安価であることから、リニア中央新幹線の開業で大きく化けるポテンシャルを持っているとされています。

リニア関連の不動産投資で注目の街③:橋本

リニア開通で「品川駅-橋本駅」は数分に

橋本駅付近に計画されている(仮称)神奈川県駅の整備は、準備工事が2017年5月にスタートしました。橋本駅はJR横浜線と相模線、京王電鉄相模原線が乗り入れている駅です。橋本駅から都心部へはこれまで1時間以上を要していましたが、リニア中央新幹線が開業すると、わずか数分で到着することになります。
(仮称)神奈川県駅は現在の県立相原高校敷地内の地下空間に設置されるため、JR東海では、地下1階と地上部分については地元で活用することを想定しています。

橋本駅の再開発計画とは

橋本駅周辺は、2027年にリニア中央新幹線の(仮称)神奈川県駅が開業するのに合わせて、2つの駅の周辺を一体的に再開発する計画が進められ、2027年の「まち開き」を目指しています。(仮称)神奈川県駅が設置されるJR橋本駅南口地区を中心に、「広域交流」と「複合都市機能」、「ものづくり産業交流」の3つのゾーンが設けられ、3つのゾーンが接するエリアにリニア中央新幹線の(仮称)神奈川県駅が設置される計画です。
「広域交流」ゾーンには交通広場が設けられ、国内外からの交通ターミナルとしての役割を持つだけではなく、イベントスペースや地域FM局などの情報発信の場としても活用されることが考えられています。「複合都市機能」ゾーンはオフィスや住宅、商業施設、医療機関などからなる複合施設、「ものづくり産業交流」ゾーンは、展示場や会議室、シティホールなどが想定されています。
再開発計画では既存在来線との乗り換えの利便性を図ることも打ち出されています。現状では、リニア中央新幹線の(仮称)神奈川県駅の改札の想定位置とJR橋本駅改札の距離は250m以上あり、京王電鉄相模原線橋本駅改札とは300mを超える位置関係にあります。そのため、リニア中央新幹線から在来線への乗り換えの不便さから、橋本駅の利用が促進されないことや街の賑わいが分散してしまうことが懸念されていました。そこで、京王電鉄橋本駅改札は、「広域交流」ゾーンに移設される方向になっています。
また、(仮称)神奈川県駅が設置されるのは、現在の県立相原高校敷地内になるため、県立相原高校は職業能力開発総合大学の跡地に移転する予定です。橋本駅周辺は南北の回遊性を向上させるために、自由通路の設置も検討され、隣接する駅周辺エリアも賑わうことを目指しています。さらに、相模原市では隣駅で行政機能がある相模原駅周辺を含めた一体的エリアを広域交流拠点としていくことを掲げています。

リニアでファミリー層の購入が増加の見込み

これまで、橋本駅は始発列車が多く運行し、都心部へ通勤する人もみられるものの、ほかのエリアから人口が流入する人気駅といった位置づけではありませんでした。駅前に商業施設はあるものの、新宿まで1本でアクセスできるにも関わらず、同じ京王線の八王子駅や調布駅、府中駅よりも開発が遅れていた感があります。
しかし、リニア中央新幹線が停車することで、都心部へアクセスしやすくなること、また駅周辺の開発で魅力ある街づくりが行われることで、ファミリー層が流入するとみられています。地価が東京西部で比較的安く、現状では購入しやすいことからも、これから住宅開発が積極的に進められていくでしょう。
たとえば、武蔵小杉駅は2010年のJR横須賀線の乗り入れを機に大きく発展していきました。武蔵小杉駅は人気の東急線東横線沿線の駅ではあるものの、東急東横線の中で特に注目される駅ではありませんでした。橋本駅も武蔵小杉駅周辺のように、リニア中央新幹線の開業によって人気のある街に成長していくことも考えられるのです。
ただし、橋本駅周辺の再開発計画の成否は、リニア中央新幹線の運行ダイヤが決まって、(仮称)神奈川県駅に1日に停車する本数にもかかっているといます。

2015年の北陸新幹線開業後は、金沢の地価が上昇したこともあり、リニア中央新幹線の開業による地価の上昇に対する期待感もあります。
リニア開業によって注目される3つの街のうち、品川駅周辺は既に成熟しているため、品川の物件への投資は、リニア開業前の先行投資という意味合いは薄れます。また、品川の物件はサラリーマンでは手を出しにくい価格帯といるでしょう。橋本駅周辺は比較的手ごろな価格帯ではありますが、発展するか否かは、前述のように停車本数の影響を受けます。たとえば、1日に2本程度しか停車しないようであれば、利便性の低さから発展が限定的になることが想定されるため、リスクが高いです。
一方、名古屋は経済が好調で、今後名古屋にオフィスを構える企業が増えれば、賃貸需要も増加することが想定されます。名古屋の中心部は、マンションなどの投資物件が充実しています。名古屋はリニア開業による今後のさらなる地価上昇によってキャピタルゲインを狙うことも、安定的な収益としてインカムゲインを得ることも狙いやすい環境といるでしょう。リニア開業前の今、不動産投資をするのであれば、名古屋が狙い目といるのです。

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執筆者 はな
企業での実務経験を活かし、2013年よりフリーランスのライターに転身。不動産や投資系のメディアを中心に執筆活動を行っています。

執筆者 yui
大学卒業後、メーカーで事務職OLをする傍らインテリアスクールに通い、住宅会社などでインテリアコーディネーターとして勤務。結婚、出産を経て、2012年から住宅・不動産やインテリア関係を中心にライターとして活動しています。